OSvをビルドしてみる
OSvについては下のリンクを参照。
OSv - the operating system designed for the cloud
これをビルドして動かしてみました。
コードについてはgithub上のコチラにあり、ビルド方法もこのページ下部にREADME.mdが表示されています。
ちなみに手っ取り早くOSvを触るだけ触りたいという人は、capstanというのがあるのでそちらを使った方がいいでしょう。
前提と今回試した環境
前提
さて、READMEを読んでみると、とりあえず手順の例として載っているのはFedoraとDebianです。
また、アーキテクチャはx86_64を前提としていることが書かれており、更に開発者メンバーは基本的にCore i世代のマシンを使って開発をしているそうで、現時点ではそれに合わせて実行してみるのが問題も少ない様です。
あとはビルド済んでからshellとか起動するとき、デフォルトでは2GBのメモリを想定している様です
By default, this runs OSv under KVM, with 4 VCPUs and 2GB of memory, and runs the default management application (containing a shell, Web server, and SSH server).
今回試した環境
- opensuse13.1
- Intel Core 2 Duo SP7500
- 2GB memory
見事に前提としている環境に逆らってますね。
x86_64である事と、linuxであることくらいは合ってますけど。
build
※以下には前提とした環境を逸れている為に起きる問題を回避する操作がありますが、これらはalpha版である現時点でbuildしたときに必要だったものです。
さて、githubからOSvのコードをcloneしてきて、submoduleについても取ってくるのはREADMEにある通り。この辺りは特に問題無いですね。
続いて必要なパッケージをzypperでインストールします。Fedoraのインストールパッケージを真似てインストール。対応するものが無かったのはboost-staticとmaven周りだったかな。そこら辺は適当に調整して、mavenについては後で確実に必要になるので http://software.opensuse.org/package/maven からrpmを取得してインストール。
ちなみにこれらのパッケージを入れる前、自分のこのマシンにはoracleJDKをインストールしてあり、JAVA_HOMEもそちらを向けていたのですがいつの間にかgcjやらopenJDKやらがインストールされ、特にgcjにJAVA_HOMEが設定されていた事が原因で思いっきりハマりました。イミフなエラーが出まくり。
javaにはoracleJDKを使うように設定しておきましょう。openJDKでもmake時にエラーが出ました。
準備は整ったと思いきや、前提から逸れているが故にやらなければならない事があります。
makeの実行時、実はOSvを起動することになるそうです。core2世代のCPUでは仮想化対応のレベルが低い事により、メモリを1024MB以下で割り当ててOSvを起動すると問題が起きるそうです。確かそんな感じ。間違ってたらアレなので、とりあえずcore2なら1024MB以下の割り当てでは動かないと思っておいてください。
この問題を回避するため、以下の2ファイルを編集してmake中のOSv起動時に割り当てるメモリ設定を1025以上にしておく必要があります。
- scripts/upload_manifest.py
- scripts/mkfsz.py
初期状態では512MB指定になってるので、該当する箇所を編集してやればOKです。
これらを済ませてmakeコマンドを実行すれば、無事にmake完了してくれる・・・ハズ。
起動
起動時についてもREADMEでは
./scripts/run.py
ってなってますが、先に述べたようにデフォでは2GBのメモリを使おうとします。全体で2GBしかないのにそんなの無理です。だがしかし、1024MB以下だと問題を起こします。
というわけで、現実的な解としてこんな感じで起動。
./scripts/run.py -m 1025
これで無事に動作してくれました。
あとはエンジョイしちゃってください!